出稼ぎ労働者が寝床にしていた古墓から追い出されるーーー中国ネットの反応

中国

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記者 祖一飞  (新京報)

 中国の目覚ましい発展の裏には莫大な数の労働者の存在がある。「縁の下の力持ち」というのはいささか陳腐で美化された表現になるが、彼らが中国発展の輝きの陰に隠れる確かな原動力ではあるのは言うまでもない。彼らは基本的に故郷の村落を離れ、開発が進む都市部に出稼ぎに行く。当然、都市部の高い生活水準についていける資金力はなく、日々徹底した節約生活に追われているのは想像に難くないだろう。そんな彼らは、宿代を浮かすために様々な方法をとっているが、今回、とある場所に寝泊まりしていた労働者がメディアに取り上げられたことで注目を集めた。日本では住所を持たないアドレスホッパーがネカフェやカプセルホテルで夜を過ごしていることで最近話題になったが、今回紹介するケースではお墓---それも歴史的価値のある古墳で夜をしのぐ労働者の話である。

 朱路路さんは安徽(アンフイ)省に生まれ、今年三十歳になる。一度刑務所に入ったことのある彼は安定した職を得ることができず、職と各地を転々とし、新聞に取り上げられたときは南京の大きな古墓の中にいた。

 石室の主は明の初代皇帝で、洪武帝として日本でも知られる朱元璋の娘、福清公主のものとされ、二十平方の間取りの中央に大きな石造りのベッドが横たわっている。歴史的価値に高いこの石室が発見された当時は雑多なものがベッドの上に無造作に置いてあったそうだ。朱さんは六か月ほど前からここを寝床兼倉庫として利用してきたが、彼のほかにも2、30人の出稼ぎ労働者が利用していたようだ。記者団が石室で調査をしていたとき、物を置きに来た朱さんと鉢合わせた。彼はバツが悪そうに「生きるために仕方なかった。お金はあるけど、毎日ホテルに泊まってたらどうしてやりくりできるだろうか」と言ったとのことだ。

 
 朱さんは持病があり、家族とも疎遠になっているなかで安定した職に就けず、苦しみ、迷い続けた先にこの墓にたどり着いたのだ。これをうけて同情する人も多くいたが、この件をただの苦労話ではない、より深刻な問題にとる人たちも存在する。この報道を受け、中国のネット上ではこのような”農民工”の素養や素質に対する問題提起や文化物保護の強化の必要性について論争が起きたほか、「使者と生者のどちらがより重たいか」という疑問まで現れた。近年は都市開発のために沢山の農村出身者が都市部に出稼ぎに来ている。文化と教育が発展する都市部といまだ伝統的な生活を続ける地方の中国人の間には大きな認識の差が存在する。そんな彼らが都市部で出会うとどうしても齟齬が生じるのだ。

Man scolds construction workers for taking metro in China
中国の地下鉄内で揉める男性たち。偏見と知識不足から生じる溝が顕在化した瞬間だ。

 上の動画が公開された際も論争が激化したが、この動画は労働者側を非難する意見が多かったのに対し、今回は様々な角度から考察された意見がみられるようになったと思われる。約一年前に公開されたこの動画だが、労働者が座席を占有したことを発端としており、労働者側にも非があることは明確である。今回のケースで労働者側に理解を示す意見が増えたのは単に朱さんの話に同情したからだけではなく、この一年間で人々の間での認識が変化したからだと考えられる。次回、このニュースに対する中国ネットの反応を見てみよう。

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